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2015-11

アーミル・カーンの語ったこと - 2015.11.28 Sat

昨日記事にした、ジャーナリズム授賞式での発言が騒ぎになっている件、日本でもYahoo!ニュースになっていました・・・
こういう政治問題でニュースになるのは少し複雑な気持ちです。(どうせなら再来日!とか新作PKついに上映大ヒット!とかが良かったです・・・)
インドの映画スターにヒンズー保守派が反発 イスラム教徒への暴力に不安告白

記事中の発言はとても断片的なので、もう少し前後を含めて関連部分の訳を載せておきます。
英語聞き取りざっくり訳、まちがいなどもあるかもしれませんがご容赦下さい。内容重複部分は少し省略もあり。
<>内は話題の要約です。

2015.11.29追記:英文書き起こし記事を教えていただきましたので、大意が間違っていたところを修正しました。アーミルのBJP関連の発言と女性質問者の発言後半部分です。(色を変更してあります)
英文書き起こし記事:http://indianexpress.com/article/india/india-news-india/aamir-khan-at-rng-awards-here-is-the-complete-conversation/




アーミル:良きジャーナリズムにとって困難な時代に、皆さんおめでとうございます。

<有名人が社会的意見を表明することについて。
また、半年~特に最近二ヶ月にかけての、クリエイティブな人々が抗議として政府関係の賞を返還していることへの賛否について。アーミルの意見は、非暴力である限りだれもが抗議する権利を持っているし、それも一つのやり方として是認するというもの。>


アーミル:クリエイティブな人々が抗議をしているのは、ここ最近の不寛容な空気を感じ取ってのことでしょう。
危険な流れに失望を感じ、今の状況が不幸であることを表明する手段なのだと思います。

私個人、この国の一市民としても、新聞やテレビでニュースを見ると、警告音が鳴っているのを感じることは否めません。
どの社会であっても、市民が守られていると感じることは大事です。
犯罪や暴力はどこの国でもありますし、理由も様々ですが、私たちインド人にとっては二つのことが重要だと考えます。

一つは正義が行われると信じられること。
間違ったことをした者は正義によって正される、それが普通の市民には守られていると感じることにつながります。
もう一つは選挙で選ばれた為政者たちのありようです。
国家レベルでも州政府レベルでも
、自分たちで選んだ為政者が強い意志と実行力を持ち、より早く法的なプロセスを遂行する―それがちゃんと機能しているときは守られていると感じます。
時代によってどの政党が与党で、だれが権力を持っていたとしても同じで、そのシステムがちゃんと機能していないと感じるときは守られていないと感じます。

テレビ討論番組である政党がいくつものことで責任を追及されているのを見たとき―この場合は与党のBJPですが―
『じゃあ1984年の惨劇(訳注:インディラ・ガンジー首相暗殺とそれを発端とした宗教対立によって多くのシーク教徒が虐殺された事件・参考http://www.happano.org/#!3--note/zrczg)はどうなんだ?』というふうに反論していました。
しかし1984年の出来事が、今起こっていることを正当化することにはなりません。
1984年に起こったことは恐ろしく悲惨な出来事でした。他の時でも、時代を通じて、いつであれ非道な行為によって無辜の人間が殺されることはとても不運な出来事です。それがたとえ一人であっても大勢であっても。
そういう不運な時こそ市民は国や地方政府に力強く一歩踏み出して欲しいと願います。
強い意志を表明して市民に安心を与えてほしいと思います。


司会:えーと、それでは・・・

アーミル:答えを完了させると、私もまた、危険で不寛容な雰囲気が広まっていると感じます。

司会:以前よりも?

アーミル:以前より?ええ、確かに6ヶ月ほど前から大きくなってきているようです。意気消沈とでもいいましょうか。
部屋の中で(妻の)キランといたとき、二人ともずっとインドで人生を過ごしてきたのですが、はじめて、キランがインドを離れることを口にしました。悲劇的な、なんという大きな告白だったでしょうか。(舌打ち:インドでは否定・同情などを表す)
彼女は子どものために恐れていました。私たちの周りの雰囲気を恐れていました。毎日、新聞を開くのが怖いと言いました。

この出来事が社会が陰鬱さを増していることを示していると思います。
落胆が増しています。警告音を感じ、一方で抑圧を感じています。
"何でこんなことが起こっているんだ・・・"そう感じる気持ちは、正直に言って私にもあります。


司会:世界中の多くのテロリズムはイスラームに結びつけられています。そのことについてどう思いますか?

アーミル:私にとっては、テロ行為はどの宗教にも結びつけられないものです。
例えテロリスト自身が自分をムスリム(イスラーム教徒)だと考えていても、私は彼がイスラームの教えに従っているとは思いません。
もしヒンドゥー教徒が暴力やテロを行ったとして、私は彼がヒンドゥー教に従っているとは思いません。
いかなる宗教も無辜の人を殺せと教えるものはないと思います。

テロや暴力を見たとき、クリスチャンのテロリスト、ヒンドゥーのテロリスト、イスラームのテロリストと呼ぶのではなく、ただ「テロリスト」と呼ぶべきです。宗教のタグ(札)を外して。
なぜならテロリストたちは、それぞれの宗教の教えに従っているわけではないからです。

私たちの最初の間違いは、イスラームのテロリスト、ヒンドゥーのテロリスト、その所属によってラベルを貼ることです。宗教のタグを取り外して、ただの「テロリスト」と書くべきです。なぜならイスラームは、いかなる形でも無辜の人を殺すことを許しも許可もしていないからです。

司会:昨日首相がおっしゃったのと同じことを言いましたね。テロと宗教を結びつけないという・・・でも事実としてパリのテロとイスラームを結びつける認識を持つ人はいます。それについて、モダンなムスリムの一人として何か言いたいことはありますか?

アーミル:大多数のムスリムは何が起こっているかを非常に気にしています。居心地悪く、不安な思いを感じています。私の勘違いでなければ、いくつかのムスリムの組織が反ISIS、反テロ組織について語りはじめています。ここインドでも。

司会:スターとして、モダンなムスリムを代表して発言すべきだと感じますか?

アーミル:「モダンなムスリムを代表して・・・」と言われると私は非常に居心地悪く感じます。
第一に私は何かを代表すべき人間ではないし、第二にはもし何かを代表する必要があるなら、
なぜ、すべての人(Everyone)を代表しないのかと思うからです。(拍手)
なぜ、モダンなムスリムだけを代表するのかと。

私の器量の範囲内で、国や社会を代表しなければならないなら、すべての人を代表します。
部分的に分かたれたセクションではなく。
私の生まれた家はムスリムかもしれませんが、話すのはすべての人を代表してです。

何人かの著名人がテロについて発言していますが、私は「テロが我々によって起こされた」とは考えていません。


女性質問者:このような質問をすることは政治的に正しくないかもしれませんが・・・テロとイスラームが関係ないという欺瞞を述べても、パリのテロがコーランとアッラーの名の下に行われたことは事実でしょう。無関係ではない。
インドのムスリム人口は世界で第二位です。
私たちには独自のイスラーム文化があります。(詩人の)ガーリブやミル、そしてあなたを生み出したような・・・あなたがもしIS支配地域に住んでいたら、ISに撃たれて死んでいるかもしれないですよね?どのように考えますか?
あなたはインドで不寛容な空気が広まっていると雄弁に語りますが、私は賛成しません。インドは今までと同様に寛容だと思います。もし我々が、イスラーム教ワッハーブ派(訳注:サウジアラビアなどを中心とする厳格な宗派)が詩人たちの存在を消したような事態に直面したらと考えたことはないのですか?ガーリブなら‘Khuda ke waaste parda naqab isse hata‘? と言うでしょう。こういうことについて考えたことはありますか?


アーミル:考えたことはあります。しかしまず、あなたの意見に反対です。テロリストの行為はイスラームではない。
コーランを持ちながら人を殺している彼ら自身はイスラームの行為だと思っているかもしれないが、私はムスリムとしてそうは思わない。無辜の人々を殺すのは、どう自認していようとムスリムではない。彼らはただのテロリストとして理解すべきです。

私が問題にしているのはISISだけではありません。恐れているのはそういう考え方そのものです。
恐怖をもたらすのは今日ではISIS、将来は違う組織によるかもしれません。
つまり、極端に過激な思想を心配しています。
どこから来るにしろ過激な思想は、とてもとても破壊的でネガティブなものなので。
今の問題はISISですが、過激な思想はどの宗教から出てきてもおかしくない、それを問題だと感じているのです。




最後の質問の答え、じっくり聞き直したら以前の訳と少し違っていました。すみません。
17分の抄録動画の方を一応全て訳したのですが、長くなるのでそれをさらに省略しています。
ディープなアーミルファンの方々のために後日また長文バージョンを載せられたらと思っています。

それにしても、満座のプロジャーナリストたちからどんどん飛んでくる質問に一人できっちり答えていくアーミルさんはすごいと思いつつ、えと、この人、政治家でも評論家でもなく俳優なんですけど・・・という気持ちもあったりなかったり。


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最近のインタビューなど - 2015.11.26 Thu

すっかりおひさしぶりです。前回の更新からアーミルさんから離れていた…わけではなく出演映画は色々見るし、新たなインタビューは色々配信されるしで、むしろネタがあり過ぎてどれから更新していいかわからない状態でした(笑)
常時毎日はみーしゃーアーミル漬けです。

ゆっくりまとまった文章を書いたり訳したりする時間があまり取れなかったというのも事実ですが。(もっと三倍速くらいで萌えをしたためたいものです…!)

というわけで、最近のアーミルさんの対談やインタビューなどです。今回本当に一部しか訳せてませんがいつか時間が出来たらゆっくり聞き込みたいと思っています。

NDTV
Walk The Talk With Aamir Khan

歩きながらインタビューを受ける44分ものトーク番組です。ヒンディー・英語入り交じりますが英語多めなのでなんとか半分くらいの内容は追える感じです。
※いつも以上にざっくりかつ推測入ってます

・「ひさしぶりに会いましたが変わりましたね」「肉体的に変わったからね!」
・変わったと言われることは嬉しい。特定の自分のスタイルではなく変化し続けていたい。
・まだ頭の中では18歳だから時々恥をかく。「おばさん!おじさん!」って声をかけると自分の方が年上だったりする。

・「ロマンスあんまりないですよね」「Taare〜は例外だよ。PKは女の子に恋はしてるしロマンスというジャンルじゃないだけで、GhajiniはロマンスがあるよGhajiniは?…うんまあそうかもしれない」「ちょっと革命的だと思います」

・デビュー直後、映画の選択に失敗し家に帰ると落ち込んでいた時、前妻のリーナも映画界出身ではないからどうなぐさめていいかわからなかった。(その後おそらく以前のインタビューと同じバット・サーブ監督のオファーを断って妥協しないことを決めた、最悪の状況でも妥協しないという話)
・『夢を妥協してはいけない。夢を叶えるために妥協することはあっても、夢そのものを妥協してはいけない。』

・「新しいアーミルになったのは?」「一つの映画だけとは思わないが、多くの人はラガーンだと感じているようだ。プロデュースをしたのもラガーンからだし」
・仕事のスタイルは変わったが、映画を選ぶポイントは変わっていない。

・Satyamev Jayateは一つのターニングポイント
・「あなたの作品にはすべてメッセージがあります」「すべての作品にメッセージがあるわけじゃないよ。プロデュースしたDelly Bellyにメッセージ性は…(笑)ユーモアも好きだし、創る作品を社会派という枠で制限したくない」
(とりあえず前半部分のみ)


Ramnath Goenka (RNG) Excellence Awards(ジャーナリズム関連の授賞式トーク)

※最初リンクしていたのはフル動画ではなかったので下記へ移動しました。(こちらがフル動画)

こちらはジャーナリズム関係だけあって硬派な内容。まだ私もちゃんと聞き込めていなくて不完全ですが、とりあえずツイッター上にあげた部分訳を載せておきます。(一回聴いてメモっただけなので間違いもあるかと)

・日本の話題:曾祖父の教育大臣の言葉で「国家の進歩は建物の数ではなく人々の意識によって決まる」。
日本やドイツは(WW2後に)滅びかけたが、あれだけの国を構築したのは人々の意識が公共の利益のために向いていたから。ムンバイを見るとだれも交差点で信号を守らない。私たちはもっと社会全体の利益のために個人個人の意識を変えないといけないのではないか

・最後に質問した女性の、ムスリムとパリのテロ・ISを結びつけるような質問に対して:あなたの意見に反対です。パリのテロリストたちはイスラームを口にしたかもしれないが、テロはイスラームとしての行為ではないとムスリムとして思う。無辜の人々を殺すのはいかなる意味でもムスリムではない。彼らはただのテロリストだ。自分も等しくISを恐れるが、同時に結果的に引き起こされる過剰でネガティブな反応(不寛容)を恐れる。所属している宗教によって攻撃されることを恐れる。それはどの宗教コミュニティであっても同じ。


このジャーナリズム関連の授賞式のトーク、後日談があります。
「インド社会に広がる不寛容の懸念」を語り、奥様のキランさんが子どもの安全を心配して海外移住も話題にした、という例を出したがために騒ぎになっているようです。

争点の箇所を抜き出した抄録動画です。


メディアが「アーミルがインドを嫌って海外移住を計画している!」と書き立てたために全体の話の流れも確認せずに様々なところ(特にヒンドゥー至上主義なBJP支持者から)からバッシングが。それに対してA.R.ラフマーンやファラー・カーンが擁護したり、ファンがこぞってツイッターで支持を表明したりしています。

不寛容への懸念を口にしたら叩くって、それまさに不寛容が存在することの証明なんじゃないの?と思いつつ、
アーミルファンとしては当然 #IStandWithAamirKhan なのですが、まずみんな、元のインタビューちゃんと見ようよ…と思います。存在しないものに対して大騒ぎしてる感じがあって…。

ちなみにアーミルさん本人の声明のリンクです。海外移住の予定はないしLove Indiaだそうです。
http://movies.ndtv.com/bollywood/neither-i-nor-my-wife-have-any-intentions-of-leaving-india-full-statement-of-aamir-khan-1247525

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