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2017-06

Dhobi Ghat(ムンバイ・ダイアリーズ)関連インタビュー - 2015.10.03 Sat



Dhobi Ghat(屋外洗濯場 英題:ムンバイ・ダイアリーズ
監督 キラン・ラーオ
出演 アーミル・カーン、プラティーク・バッバル、モニカ・ドーグラー他
2011年公開


<あらすじ>
アメリカで銀行員として働くシャイ(モニカ・ドーグラー)は、ムンバイへ写真を撮りにやってくる。
ある日パーティで孤独な影のある画家・アルン(アーミル・カーン)と出会い、惹かれるが二人の関係はその場限りで、アルンは引っ越してしまう。
ムンバイのドビー・ガート(屋外洗濯場)で洗濯屋をして生計を立てるムンナー(プラティーク・バッバル)は、偶然、シャイのところにもアルンのところにも出入りをしていた。貧しい境遇ながら映画スターに憧れるムンナーは、シャイに自分の写真の撮影を頼む。そして次第にシャイに恋心を抱きはじめる。
一方アルンは、引越先で以前の住人が残していったビデオテープを見つける。そこには結婚してムンバイへやってきた女性・ヤスミン(クリッティ・マルホトラ)がうつっていた。

少しずつ係わり合いながら全く別々の、ムンバイに生きる4人の人生と生活を描いた静謐なアート系映画。


<感想>
危険なくらい萌えました…。
アート系映画なので、ドキュメンタリーに近いような雰囲気で、いつもの王道娯楽インド映画!というのとは違うのですが、そこがまたなんというか…素アーミル!?と錯覚させてしまうようなリアリティがあって危険でした。
パーティ苦手そうでためいきつくアーミルさん(アルン)好きらしいオムレツを一人作るアーミルさん(アルン)離婚歴があって直後は落ち込みまくって部屋から出てこなかったらしいアーミルさん(※しつこいようですがアルンの設定です←というのをはさまないと冷静でいられません私が!)
誠実そうなのにうっかり流されて過ちを犯してしまってさらにそれを正直に言ってしまって空回りするアーミルさん(アルン)
監督が奥様のキランさんなので、当て書き!?当て書きなの!?と思わず疑ってしまいますが、インタビューではアーミルさんは当初出演予定ではなかったそうなので、真相は藪の中です。
アルンはすべて役作りで、素は全く違う人です、と言われてもそれはそれで演技力に脱帽するのでいいんですけどね。

静かな映画ですが、アート系にありがちな淡々としすぎて退屈ということもなく、お話も楽しめました。
アーミルさん以外は無名の俳優さんですが、他の役もムンバイという街の一個人になりきっていて、良かったです。
リアルなムンバイの映像も美しいです。Satyamev Jayateといい、アーミル・カーン・プロダクションはドキュメンタリー系の映像が綺麗ですね。

<インタビュー抄>


ドビー・ガート関連のインタビューで興味深かったポイントをまとめました。

・(一つ屋根の下で一緒に生活して一緒に仕事して一緒に遊ぶというのはどんな感じ?クリエイティブな人間が二人というのは衝突もあるのでは?という問いに)
アーミル:結構うまくいっていると思う。お互いに繊細さの度合いが合っているし、言っていることも気に入ることが多い。ただ時々僕は彼女の言うことに同意出来ない時もあるし、その逆もある。この映画に関しては彼女が監督でボスだ。一方で僕はプロデューサーだから、プロデューサーのやるべき仕事に関しては責任を持つ。そのラインははっきりしている。俳優としては監督に従うし、プロデューサーとしては僕が彼女のボスだ。

・(そのルールのとおり実際簡単に行くのかと聞かれて、そうだ、そうじゃないとわちゃわちゃした後にそんなルールを明確に意識する必要もなかったという結論に落ち着いたっぽいアーミル夫妻)

・キラン:アーミルは監督にとって夢のプロデューサー。ああしろこうしろと命令したりしないし、思ったとおりにやらせてくれる。はじめての監督作品でこんなに贅沢なことは他では望めないと思う。

・撮影初日のトラブル
役者やスタッフがそろった、撮影初日。キラン監督はモニカさんなどの役者やスタッフには常に注意を払い、会話をし、意見を聴く一方で、アーミルさんが「僕はこう思うんだけど」と言い出すと「ちょっと黙ってて」と無視される。
(インタビュアー:他の監督の下ではありえない事態ですね!)
それが4、5回も続いて、やれやれこの映画は楽しめそうだぞ…と思ったアーミルさん、キランさんを呼び出して話をすることに。
「なんでこんなひどい扱い方をするんだ?僕はセットの上では君の夫ではなくて俳優だ。スターとして扱えと言っているんじゃなく、他の俳優と同様に敬意を持って接しないとダメだ。そこらへんの馬の骨みたいに扱わないでくれ」

・一方キランさんも同様に感じたことがあると反論。
撮影後の編集をすべて逐一チェックされて、それは他の監督にはやらないでしょう?例えばラージクマール・ヒラーニー監督(作品:きっと、うまくいく・PK)には!編集はプロデューサーの仕事じゃないでしょ、と。

・アーミル:それは初監督作品だから。自分のところでプロデュースする以上、観客が期待するクオリティを満たしているかどうかの責任がある。ヒラーニー監督ならもうわかっているからチェックする必要はない。

・初監督作品でプロデュース、出演、共同で仕事をするというリスクを取ったのはまず脚本が良かったから。

・それに加えてお互いへのリスペクトがそもそもあったから。

・アーミル:二人の関係で良いところは、恋愛関係のカップルであるという前に友人であるところ。

・脚本が気に入ってプロデューサーになることを決めて、さらに俳優としても参加したくなった。さらにはキランさんの最初の作品に出演して参加しかったアーミルさん。でもキランさんは無名の俳優を使いたかった。世間に知られていない、固定したイメージを与えない新鮮な顔ぶれで、実際のリアルなロケーションで撮影したかった。よく知られている顔だと実際の街でリアルに撮影するのはとても難しい。その不可能をなんとか可能にして撮影した。

・アルンというキャラクターのおかげということもある。基本的に静かな部屋にこもり、街へ出てもだれかと積極的にコミュニケーションしたりすることもない、自分の内にこもる人物だから。
(アーミル自身のキャラクターを参考にしたんですか?という問いに)
キラン:いえ、むしろアーミルとは対照的。アーミルはたしかに人の多い場所(パブリック)は好まないけど、だれとでもよくしゃべるし、人と距離を置くことはないわ。
アーミル:僕は人とコミュニケーションを取るのが嫌いじゃないし、こういう(手のひらを前に突き出す)ふうに人との間に壁を作ることはしないな。
キラン:例えば最近、アーミルが子どもの頃に知っていたマンゴー売りの男性が息子や孫や一家でやってきたときは、一時間くらい話し込んでいたし、ほとんどすべての、どんな人とでも距離を置かずに接します。スターらしくなく。

(※管理人注:他のインタビューで「アーミルのパーティ嫌い」に言及したものあり。ご本人いわく、人と話すのは好きだけどやかましい音楽が苦手なんだとか。静かな部屋に話したい人をそっと招くとのことでカラン・ジョハール監督に「パーティ・デストロイヤー」扱いを受けていましたw)

・キラン:アルンは心を開かない、過去に傷ついた、内気な人物。演技としてはリアクション、主にヤスミンの物語へのリアクションがメインになる。アーミルは私のために映画の中ではアルンになりきってくれた。

・アーミル:主演のプラティークは若い役者だけど、彼のことは誇りに思っている。トロントなどの映画祭でも評価されたし、魅力的で、キランや僕だけじゃなく周り中皆にもカメラにも愛されていた青年だ。

・二人の馴れそめ
ラガーンの撮影で出会う→CM撮影で再会(2003)→デートをするように(2004)&離婚の理由にキランさんは無関係というおおまかな流れは以前訳したインタビューと同じ。
キラン:初めて会ったときアーミルは「スーパーキュート」だと思った。ラガーンのセットの上で唯一のキュートな男性だった。(え、ラガーンで?と意外そうなアーミルさん)
キラン:最初のデートは飲みながら(お茶かお酒かは不明)話をするという感じでした。
(インタビュアー:デートと言っても文字通り二人で出かけられたんですか?)
アーミル:実際には出かけられないので、うちにさそいました。
(インタビュアー:スーパースターって便利ですね!外に出かけられないから家においでって最初のデートから女の子に言えてしまう!・笑)
キラン:ゆっくり彼を知っていく過程でとても楽しい人だと知りました。ひっきりなしに笑わせられたり。
アーミル:彼女の暖かさとエネルギーを愛している。当時も今も。

・(その時々で体重を増やしたり落としたり、役作りだったり、アーミルの妻として生活するのはハードじゃないですか?)
キラン:時にはハードなこともある。体作りをしている時は専用のお弁当しか食べられないから、外食が出来ない。ディナーやパーティに行っても、お弁当を持っていってそれを食べるのでいい同伴者とはいえない(笑)そもそもディナーに出ること自体が少なくて、とにかく仕事から帰ってくると家にいて本が読みたいよう。

・ミセス・アーミル・カーンと呼ばれることを楽しんでいる。なぜなら彼を誇りに思っているし、彼が多くの人から愛されていることが嬉しいから。また、アーミルの庇護の傘の下にいるとも感じる。今回の映画でも多くの人が支援してくれた。こんなことは一番最初の監督作品ではなかなかないことだと思う。
アーミルと結婚していたから彼がプロデューサーになってくれて、それがこの映画を実現する上で一番幸運だったことだと思う。もし結婚していなかったら彼と会うのはとても難しかったでしょう。
インタビュアー:ウェイティングリストで待って待って…
アーミル:本を読むのを邪魔しないでくれ
インタビュアー:"弁当を食べるのを邪魔しないでくれ"

・キランさんから見たアーミルさん
プロデューサーとして:すべての監督の夢のプロデューサー
監督として:繊細で、キュートな視点
俳優として:制作に深く関わり、情熱的、役柄に完全に溶け込むように自分を変化させる
愛する人として:全部私の!(アーミルからもう少し詳しくと言われ)繊細でよくものを考える人で、情熱的で、ロマンチック…私と違って。私はあまりロマンチックな人間じゃないので。アーミル:忍耐強い キラン:忍耐強くてロマンチック アーミル:理解のある キラン:(笑)

・アーミルさんから見たキランさん
暖かくて、愛情深い。大きな意味では僕の方がロマンチックかもしれないが、日常においてはキランの方がずっと愛情にあふれた言動をするしとても優しい。

・お互いにここは直してほしいところ
キラン:常に私の間違いを指摘するところ。
アーミル:おしゃべりすぎるところ。本を読んでるのにペラペラ耳元でしゃべるのはやめてほしい。
キラン:私としゃべってよ
アーミル:わかった、本当のところはもう少し忍耐強くなってほしい。僕に対してというより一般論として。

・有名になることとプライバシー、どちらが欲しい?
アーミル:両方。時として知名度が欲しいし時としてプライバシーが欲しい。
キラン:どちらかを選ばないといけないとしたら有名になること。何かを創る人はやはり作品で自分の名が知られることを望むものだと思うし、それが有名になるということだとしたらそちらを選ぶ。

・だれかと牢に閉じ込められるとしたら?
キラン:ガエル・ガルシア・ベルナル
アーミル:だれ?
キラン&インタビュアー:モーターサイクル・ダイアリーズとかに出てた…
アーミル:見たことないな。チェックしておく。

キラン:ガンディーっていわないでよ
アーミル:ガンディー
インタビュアー:えー
アーミル:じゃあマリリン・モンロー。その二択で。
 
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● COMMENT ●

しっとりしてとてもいい映画でした。
キランさんセンスがありますね。
それを全力で支えるアーミルさんも素晴らしい。

終わりかたがとても切なくて、まだ胸がキュンとしてます...
こんな映画を偶然にも雨降りの夜に見れて良かったです!
間違いなく明日は二度見だ。

>Rieさま
コメントありがとうございます!お返事が遅くなってすみません。
Dhobi Ghatご覧になったんですね。私もこの映画、メインストリームの楽しいインド映画とは違いますが大好きです。

アーミルさんが複数のインタビューで「キランの脚本が仕上がらなければいいな、と思っていた。…だって読んでもし気に入らなかったらどうするんだ」と言っていたのが印象的です(笑)気に入った結果、強引に出演までしてしまって今のDhobi Ghatがあるわけですが。アーミルさんの演技も脚本も素晴らしいと思います。

雨降りの夜!演出効果ばっちりですね。
私も今度雨降りの夜に見直してみようかなと思いました。


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